2015年2月23日月曜日

超音波のジャグリング制御 ultrasonic-labo





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  シャノンのジャグリング定理

  ( F + D ) * H = ( V + D ) * N

  F : ボールの滞空時間(Flight time)

  D : 手中にある時間(Dwelling time)

  H : 手の数(Hands)

  V : 手が空っぽの時間(Vacant time)

  N : ボールの数(Number of balls)



  応用

  F : 超音波の発振・出力時間

  D : 循環ポンプの運転時間

  H : 基本サイクル(キャビテーション・加速度のピークの発生する)

  V : 脱気装置の運転時間

  N : 超音波出力の異なる周波数の数



 説明

 各種データの時系列変化の様子を解析して、

 時間で移動するボールのジャグリング状態に相当するサイクルと

 影響範囲を見つけます

 この関係性からボールN個のジャグリング状態を設定して制御を行うと、

 自然なシステムの状態に適した制御となり、

 効率の高い超音波システムとなります



F・D・Vの関係は時間の経過とともにトレードオフの関係になります、

 そのために各種の運転として他の条件を停止させた状態で

 運転する方法が必要になります



これまでにも、結果としては適切と思える状態が発生することがありましたが

 数時間、数日、数ヶ月後には適切でなくなり、再調整することがありました

 このような経験の中から適切なモデルを検討していましたが、

 ジャグリングモデルは大変良く適合するとともに、

 高い効率と安定性を示しました



超音波の目的(キャビテーションの効果、加速度の効果、 等)に対して、

装置の運転時間の調整で対応(最適化)することが可能です

但し、一般的な時間を提示できないのはシステムの系として

 水槽やポンプの構造による影響が大きいため、

 そこに合わせる(音響特性を考慮した最適化の)必要があるためです



 参考として、単純な応用例

  300リットルの水槽で30リットル毎分の循環ポンプと脱気装置の場合

  超音波1              ------

  超音波2      ------               ------

  脱気装置  ---      ---       ---

  循環ポンプ      ---       ---       --- ....

  超音波出力:2分 100-200ワット、 脱気装置 1分、 循環ポンプ 1分



ポイント

 システムを「時間で移動するボールのジャグリング状態」として

 捉えることが重要です

 トレードオフの関係にあるパラメータを

 適切にバランス運転することを可能にします



通信の理論を考えたシャノンが

 ジャグリングの理論を考えた理由もそこにあるように思います



各種の運転・停止時間の設定により

キャビテーションと加速度の効果を

調整することが可能です



オリジナルの音圧測定解析装置:超音波テスターにより

応答特性の確認を行い、提案・実施しています



特に、複数の同じタイプの超音波振動子を

一つの水槽に入れて利用している場合

この制御を行うことで

洗浄・攪拌・改質・・・・の効果を大きく改善できます



現状の超音波装置の対策としては

最も効果的で実用的です



但し、装置の振動系の測定解析を行う必要があります

装置の振動系の問題がある場合には

測定解析に時間がかかります





超音波システム研究所


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