2016年7月24日日曜日
超音波「音圧測定装置(超音波テスター)」
<統計的な考え方について>
統計数理は以下のように考えられています
統計的な物の見方というのは、
1)我々がどのように自分が持っている知識や情報を利用しようとするのか
と言うことに関係する(すなわち、主観的な発想に基づいている)
2)具体的な経験・知識に基づいた心の枠組みで考える(すなわち、具体的である)
3)物事の量的な特性に対するいろいろな考え方が豊かになっていく展開
(すなわち、抽象的である)
まとめ
統計数理には、抽象的な性格と具体的な性格の二面があり、
具体的なものとの接触を通じて
抽象的な考えあるいは方法が発展させられていく、
これが統計数理の特質である
超音波洗浄にとっては、
目的に適した表面の実現が問題で、
単純な洗浄評価よりは更に詳しく
利用目的における評価・トラブル・・・の
安定性・ばらつきが問題になります。
この場合は目標を目指しての一回の洗浄プロセスの効果として
その関連データを測り、その散らばり(分布)について確率を求めます。
対象の中で特定の特性を持つ物の数を表す数値は
古くから統計と呼ばれて来ています。
そこで、多数の結果の中で一定の値
(正確にはその近傍の値)が現れる確率を検討する方法を
統計的な見方と呼びます。
超音波洗浄の改善・効果を考える場合には、
洗浄の結果・評価(数値化)の方向と
効果(不具合やトラブル・・の改善)についての統計的な検討が必要になります。
ここまでの話は常識的なものですが、
ここから更に一歩踏み込んで洗浄の動き自体の検討に進みます。
この場合は、効果的な洗浄事例に従ったりして
その結果を統計的に確認するという方法だけではなく、
洗浄を生み出す条件<洗浄物・数量・洗浄時間・・・>と
超音波の動きの構造<音圧・変化・キャビテーション・・・>を
数値・図形・・・で捉えることが必要になります。
ところが、洗浄を生み出すシステムの仕組みは、
社会の仕組みのように無数の部分の繋がりで出来上がっています。
この複雑なシステムの動きを、
その構成部分の動きの総和として捉えようとするのが統計的な見方です。
この場合、最終的には超音波の洗浄物への動きを生み出すための
単純化したイメージが必要になります。
このイメージの構築の基本要素は、超音波の仕組みの知識と、
これまで強調して来た最終的な超音波洗浄に関する動きの目的意識です。
これらによって試行錯誤的にイメージの改善を進めることになります。
こんな面倒な話は聞きたくもないと思うかも知れませんが、
「天は自らを助けるものを助ける」と言うように、
超音波洗浄は人から教えられるものだけでは不十分で、
自分で考えて仕上げることが不可欠です。
その場合に「統計的な見方の有効利用」が成功へのキーワードになります。
超音波制御技術に関する「参考書籍」
Reference books
<<参考書籍>>
1:解析
1)叩いて超音波で見る―非線形効果を利用した計測
佐藤 拓宋 (著) 出版社: コロナ社 (1995/06)
2)電気系の確率と統計
佐藤 拓宋 (著) 出版社: 森北出版 (1971/01)
3)不規則信号論と動特性推定
宮川 洋 (著), 佐藤拓宋 (著), 茅 陽一 (著)
出版社: コロナ社 (1969)
4)赤池情報量規準AIC―モデリング・予測・知識発見
赤池 弘次 (著), 室田 一雄 (編さん), 土谷 隆 (編さん)
出版社: 共立出版 (2007/07)
5)ダイナミックシステムの統計的解析と制御
赤池 弘次 (著), 中川 東一郎 (著)
出版社: サイエンス社(1972)
2:シミュレーション
波動解析と境界要素法
福井 卓雄 小林 昭一 京都大学学術出版会 (2000/03)
3:弾性波動
「弾性波動論の基本 」 田治米 鏡二 (著) 槇書店 (1994/10)
「弾性波動論 」佐藤 泰夫 (著) 岩波書店 (1978/03)
4:流体力学
「内部流れ学と流体機械」 妹尾 泰利 (著) 養賢堂 (1973)
「流体力学 」日野 幹雄 (著) 朝倉書店 (1974/03)
「流体力学 」日野 幹雄 (著) 朝倉書店 (1992/12)
「噴流工学 」社河内敏彦(著) 森北出版(2004/03)
5:超音波
「やさしい超音波工学―拡がる新応用の開拓」
川端 昭 (編著), 高橋 貞行 (著) 一ノ瀬 昇 (著)
工業調査会 増補版 (1998/01)
上記を参考・ヒントにして
超音波伝播現象における
「音響流」を測定・利用する技術を研究しています。
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