2014年10月5日日曜日

散歩と読書(橋本 凝胤)





散歩

東京都 八王子市 小宮公園



読書

人間の生きがいとは何か

1970年(講談社現代新書)

橋本 凝胤 著



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われわれは人のために生きているのではない



人間性とはいかなるものであるか。



われわれは人のために生きているのではない。



社会のためにでも世界のためにでも、

 世界人類のために生きているわけでもない。



それを世界人類のために生きているような考え方を

 持たなければならぬように訓練されてきているわけです。

 

よく人道主義、ヒューマニズムといことをいいます。



これは人間と共に暮らすときの人間の道を説いているのです。



つまり、人間生活のひとつのルールを考えるのが人道主義です。



しかしこういうものに、われわれは左右されてはいけないのです。



いつでも一人のときに、一人の生活の中に、

 道というものが厳然となければならないのです。



ところが、いわゆる理性的な判断といものが中心になってきている。



対外的に、あるいは大衆的に、社会的にと、こうなってきますと、

 この良心、一人の生活というものが、だんだんお粗末になってきます。



一人の生活ほど重要なものはないのですが、

 対外とか社会的とかいう考え方がだんだん強くなればなるほど、

 一人の生活が自堕落になってくるわけです。



孔子や孟子が「一人を慎む」ということをおっしゃっております。



一人の世界がいちばん重要だという考え方です。



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