2019年4月28日日曜日
超音波出力の最適化技術 ultrasonic-labo
<<< 超音波洗浄とキャビテーション >>>
超音波洗浄セミナー終了後の質問で、
以下のような経験を多数しています。
これまでに、超音波洗浄の原理として、
キャビテーションに関する説明を受けてきましたが、
洗浄経験から、ほとんど納得できませんでした。
セミナーの説明にある「非線形現象による音響流の効果」は
詳しいことは理解できないのですが、
洗浄現場の状況に対して非常に納得できます。
単純な洗浄成功事例を、キャビテーションで説明することは
簡単に理解できるため、幅広い応用ができると思いがちです。
洗浄対象物(形状、材質、数量、・・)が異なる場合
キャビテーションで単純化した洗浄方法を応用すると
全く異なる超音波伝搬状態を目標にしているような危険にさらられます。
洗浄状態を改良しようとしても
単純化した洗浄原理に基づいた対策が行われるため
洗浄効果が表れないで、逆効果になっている事例を多数見ています。
単純な洗浄モデルで考えた場合
洗浄対策も単純になる傾向があります。
洗浄の難しさは、簡単に洗浄できた経験者や
超音波の複雑な音圧変化を測定確認していない人には理解できないでしょう。
30年ぐらい前の脱脂洗浄レベルに関しては
「超音波洗浄はキャビテーションの効果である」という表現も
間違えだといえない状況だったと思います。
ナノレベルを問題にする、洗浄に関しては
「超音波の重要(効果的)な要因は、音響流である」という考え方が必要です。
実際に、キャビテーションで洗浄していることは確信が持てないものです。
洗浄モデルで考えても分かりませんから
洗浄器の実験で確認しましょう。
簡単な汚れ(例えばスプーンに油を塗る)で洗浄実験しましょう。
液循環のON/OFF制御や、スプーンの揺動操作・・により
洗浄液の流れによる
洗浄効果・再付着に対する効果・・確認することができます。
これだけの実験でも、
音響流の利用が重要だということが解ります。
(汚れの動きを詳しく観察することを繰り返すと
複雑な音響流を見ることができるようになります)
洗浄関係者(特に、精密洗浄関係者)にとっては、
「キャビテーションで洗浄する」と言うような表現は
大変危険だということが分かります。
超音波洗浄の現実は
洗浄物の特性を含め非常に難しい事象(非線形現象)なのです。
2019年4月26日金曜日
超音波システム研究に関する動画
<< 超音波の非線形現象 >>
超音波洗浄効果の高い装置は、キャビテーションを考慮した洗浄水槽を使用して
音響流の効果を最適化した振動子・振動板を設置します。
普通の超音波洗浄機は、洗浄物により
様々な、キャビテーション・音響流が発生します。
どうしても、目に見える、あるいは聞こえる範囲での状態評価に集中します。
ところが、ソ連の超音波に関する書籍
「超音波工学と応用技術」ベ.ア.アグラナート/[他]共著には、
「超音波洗浄について、最も重要(効果的)な要因は、音響流である」
と言うことが記載されています。
音響流に関して以下のような説明がありますが、
測定・解析・評価については、はっきりしません。
一般概念
有限振幅の波が、気体または液体内を伝播するときは、音響流が発生する。
音響流は、
波のパルスの粘性損失の結果、自由不均一場内で生じるか、
または音場内の障害物(洗浄物・治具・液循環)の近傍か
あるいは振動物体の近傍で、
慣性損失によって生じる物質の一方性定常流である。
音響流は、
大多数の超音波加工工程、浄化、乾燥、乳化、燃焼、抽出・・・過程での
重要な強化因子であり、媒体内の熱交換と物質交換を著しく促進する。
加工工程での音響流の作用効果は、それらの速度と寸法因子によって決まる。
こうなると、キャビテーションと音響流の議論になり、対応が難しくなります。
そこで、キャビテーション・音響流の影響として
複雑な超音波の音圧変化を統計解析することを考えます。
簡単な実験として、
超音波洗浄器で、液循環がある場合と無い場合の違いを調べます。
ここで、液循環量の変化に合わせて、超音波による音圧変化の様子を観察・測定します。
測定した、音圧データを検討・解析(自己相関・バイスペクトル)することで
超音波における非線形現象をはっきり確認できます。
「超音波工学と応用技術」ベ.ア.アグラナート/[他]共著には、
「流体が振動する現象は非線型理論の集積です」と指摘しています。
従って、超音波の音圧測定・解析・評価により、非線形現象を確認することは
超音波の効果的な利用に発展できることになります。
2019年4月23日火曜日
2019年4月20日土曜日
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2019年4月6日土曜日
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